研究課題/領域番号 |
26870735
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研究機関 | 相愛大学 |
研究代表者 |
河瀬 諭 相愛大学, その他部局等, 研究員 (90507469)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 音楽 / 合奏 / インタラクション / コミュニケーション / アンサンブル / 音楽教育 / 観客 / 社会的スキル |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、コミュニケーションやそのスキルが音楽的コミュニケーションに与える影響を明らかにすることである。本年度は、筆頭著者として3本の論文が、査読付き学術誌に受理された。内訳は、1.音楽とコミュニケーション(スキル)に関する論文、2.展望論文、3.次の準備段階として行った実験に関する論文である。学会発表およびアウトリーチ活動も積極的に行った。 第一に、演奏者の社会的スキルに関する論文が掲載された。内容は、演奏者の日常場面での社会的スキルが練習での行動に影響を及ぼし、練習での行動が合奏の評価に結びつく、というモデルの検証である。第二に、本研究に関する展望論文が掲載された。内容は、演奏者と聴取者のコミュニケーションに関わっている。具体的には、演奏者と観客の視覚的なコミュニケーションについて、以下の内容について先行研究をレビューした。(1)研究パラダイム(2)身体動作(3)表情(4)視線(5)外見・服装(6)視覚情報と聴覚情報の優位性(7)今後の課題と展望。第三に、次の実験の準備として実施した研究の論文が掲載された。音楽聴取による情動反応に関する内容である。結果は以下の通りである(1)コンサート参加と、感動、好みには強い関連がある(2)これらの要素の間の因果モデルが支持される(3)ただし、個人の好みなどの影響も大きい。第四に、昨年度実施した実験に関する成果を国際会議や国内の研究会などで発表した。アンサンブル観賞中の鑑賞者の視線行動を、定量的に計測したものである。演奏者の視線やパートが、鑑賞者の注意にどう影響するか検討した。 最後に、アウトリーチ活動も積極的に実施した。7件の講演等で、自身の研究内容に関する講演や研修などが5件、記事の執筆が2件である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、演奏者と観客のコミュニケーションについて検討した。成果発表としては、国際誌・国内誌、国際学会、国内研究会で発表できた。研究を通し、当初の仮説にくわえ、新たな知見も得られた。アウトリーチ活動にも従事した。
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今後の研究の推進方策 |
新たな実験を遂行し、学会発表および論文投稿による学術成果の発表、およびアウトリーチ活動を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
熟達した演奏家への依頼を次年度にしたためである。
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次年度使用額の使用計画 |
熟達した演奏者への謝金、成果発表などに使用する。
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備考 |
ホームページ http://satoshikawase.wix.com/satoshikawase
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