低リスク出産は高リスクへ移行する可能性があり、医療の質の維持・向上への社会的関心は高い。低リスク出産ではどのような医療が提供されると母児にどのような利益をもたらすのかがわ明らかにされていない。そこで、診療ガイドラインのエビデンスに基づいて、母親と医療者が共に開発した医療の質指標(Quality Indicator:QI)を開発と公表し、診療ガイドラインの改訂に伴い、Core指標の35指標を改訂した。また、母親の視点を含めたLocal指標の18指標も新たに開発した。 まずは、このCore指標とLocal指標の信頼性と実用可能性を検証するために過去の診療データを用いた予備調査により、ほとんどの指標で高い信頼性を得た。臨床家に指標を測定した結果をみてもらい臨床者にインタビューを実施した結果では、低リスク出産のQIを臨床で実際の医療改善に活用できることが示唆された。総合して、低リスク出産のQIは、医療改善としての実用性可能性があることがわかった。 さらに、今回の研究を通して、データ集積管理システムを用いて独自のデータベースを構築した。今後、このデータベースを用いて低リスク出産のQIが臨床でより活用できる機会を得たい。
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