海洋性珪藻類は、地球上のCO2固定および地球規模のリン循環に大きな影響を及ぼし、海水中より獲得した無機炭素およびリンは、有用物質生産にも利用される。本研究では、海洋性珪藻類の無機炭素およびリン酸獲得機構に関与する因子を同定し、これらを共高発現させることにより、2つの異なる有用物質生産能に優れた新規珪藻株の作出を試みた。候補因子の詳細な機能解析から、葉緑体包膜局在型無機炭素輸送体PtSLC4-7および細胞膜局在型リン酸輸送体PtSLC34-2の同定に成功した。さらに、ポリリン酸合成・分解酵素の候補因子を見出し、リン酸応答性を確認した。また、遺伝子共発現用珪藻形質転換ベクターを新たに構築した。
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