本研究の目的は、妨害刺激嫌悪効果やその関連現象(感性満腹感)のような人間の選好を変容させる方法を用いて、人間の食行動を変化させる方法を開発することである。以下の知見が得られた。(1)反応抑制課題の実施によっておいしさの印象が変化するためには、課題の実施中に画像に注意を向ける必要がある。先行研究から推測される結果とは異なり、反応を行った画像に対するおいしさ評価が高まる。(2)食物の動画を繰り返し観察するだけで、食物に対する満腹感が変化する。この現象が生起するためには、食物の動画に注意を向けること、摂食をイメージする動画を観察することが必要である。
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