研究課題/領域番号 |
26870759
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研究機関 | 姫路獨協大学 |
研究代表者 |
大谷 秀憲 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (00412023)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高温環境 / 日射量 / 運動能力 / 体温調節 / 深部体温 / 皮膚温 |
研究実績の概要 |
ヒトの持久性運動能力は、身体を取り巻く様々な環境的因子による影響を受けることが知られている。これまでに、温熱環境の4要素のうち「気温」、「湿度」および「気流」の3つがヒトの持久性運動能力に及ぼす影響については報告されているが、残りの1つである「輻射熱」の影響については不明である。そこで本研究は、輻射熱の強度を4段階(800 W/m2, 500 W/m2, 250 W/m2, 0 W/m2)に設定し、被験者が疲労困憊に到達するまでの自転車エルゴメーターを用いた最大運動負荷試験を実施することにより、輻射熱が暑熱環境下(気温30℃、湿度50%)の運動時における持久性運動能力に及ぼす影響について検討することを目的とした。 本年度は、研究実施計画通りに全ての実験を実施した。その結果、暑熱環境下での運動時には、ヒトの持久性運動能力は輻射熱の強さに比例して低下することが確認された。この持久性運動能力低下の原因としては、輻射熱による皮膚温の上昇と蓄熱量の増加が大きく影響し、発汗や皮膚血流はあまり影響しない可能性が示唆された。また、疲労困憊時における深部体温は、輻射熱の強度に関わらず全ての条件で一定であったことから、輻射熱の強い条件では深部体温の上昇が速かったことが確認された。本研究の結果から、夏季のような暑熱環境下では、輻射熱はヒトの持久性運動能力を抑制する重要な制限因子であり、その抑制の程度は輻射熱の強さに比例することが明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の研究計画の通りに、実験準備、予備実験の実施、実験の実施を全て終了させることができた。したがって、研究はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データの解析作業を進め、必要があれば追加実験を実施する。また、得られた結果をもとに学会発表の準備と論文の作成を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究では、被験者の体調不良による実験の延期やアクシデントの発生などによる実験のやり直しに備え、実験の実施にかかわる諸経費(人工気象室施設利用経費や実験交通費など)をあらかじめ多く見積もっていたが、実験が滞りなく進行したため、それらの経費を使わずに済んだことが理由として挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
データ分析のための経費と、国内および国際学会での学会発表のための旅費および論文作成に伴う諸経費に使用する予定である。また、必要があれば追加実験を実施するため、その施設利用経費と実験交通費に使用する可能性が考えられる。
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