研究課題
オトガイ舌筋による上気道開存性の低下は閉塞型睡眠時無呼吸の成因のひとつであるが、オトガイ舌筋の筋力とポリソクノグラフィとの関連性は十分に明らかにされていなかった。そこで、オトガイ舌筋の筋力とポリソムノグラフィ検査結果との関連性を明らかにすることを本研究の目的とした。対象者は睡眠時無呼吸症候群疑いのためポリソムノグラフィを受けた26名である。オトガイ舌筋の筋力は舌の前方突出の最大等尺性収縮にて評価した。オトガイ舌筋筋力は統計学的有意に無呼吸指数及び閉塞型無呼吸時間と相関することが示された。加えて、オトガイ舌筋筋力と睡眠深度のステージ2との間に統計学有意な相関関係を認めた。以上の知見は覚醒時のオトガイ舌筋の筋力が睡眠時の上気道開存性に関与することが考えられた。Although tongue protrusion strength by genioglossus activity during sleep contributes to the maintenance of airway patency in patients with obstructive sleep apnea (OSA), the relationship between tongue protrusion strength in arousal state and obstructive sleep apnea has not been fully elucidated. We enrolled 26 subjects with OSA. All subjects completed the measurement of tongue protrusion strength. Each subject with OSA was evaluated by full polysomnography. The strength of tongue protrusion strength was assessed by maximum voluntary contraction against the tongue depressor connected with the train gauge dynamometer. The tongue protrusion strength was significantly and negatively correlated with the obstructive apnea time, AI and the percent of sleep stage 2.
2: おおむね順調に進展している
舌の主要要素であるオトガイ舌筋の筋力が閉塞型睡眠時無呼吸と関連することを見出した。さらに睡眠深度とオトガイ舌筋との関連性を見出した。これらの知見により,閉塞型睡眠時無呼吸患者におけるオトガイ舌筋の新たな評価方法が確立されたと考えられる。
今後の方策として,オトガイ舌筋の筋機能を改善する新たな介入方法を確立する予定である。また,肥満合併例では継続的な運動療法が必要であるため,運動時の呼吸困難など征圧する方法を併用することが求められる。
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Respiratory Care
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