研究課題/領域番号 |
26870763
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研究機関 | 神戸常盤大学 |
研究代表者 |
戸川 晃子 神戸常盤大学, 教育学部, 講師 (00610081)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ピアノ / イメージ・トレーニング / ピアノ教授法 / 音符の言語化 / 音楽の言語化 / イメージ |
研究実績の概要 |
本研究は、ピアノ学習者が「イメージ・トレーニング」によって効率的にピアノ演奏技術を習得するピアノ教授法に導くための基礎的研究である。 前年度は、保育士・教員養成校のピアノ学習者を対象に、イメージ・トレーニングの効果を調べる実験を行った。 今年度は、楽譜上の情報を正しく理解し、音楽をイメージすることが、イメージ・トレーニングの効果を高めることに有効ではないかという点に着目し、実践的実験を行った。楽譜から音楽のイメージを言葉にする「音楽の言語化」である。このようなストーリー性を重視した「音楽の言語化」を実践した後、質問紙調査をした結果、学生の「イメージ通りに弾きたい」という意欲が向上したことがわかった。次に、音楽の三要素であるリズムに着目し、リズムを正しく把握することが、楽譜を正確に読み取る一助になると考え、楽譜上の音符ひとつひとつに台詞をつけ、リズムをシステム化して把握する「音符の言語化」を試みた。この「音符の言語化」の実践後では、リズムを正しく把握するだけに留まらず、たとえば連続する十六分音符を均等に弾けるようになる等の演奏技術改善が見られた。そして、未熟な演奏であっても、音符上に記された台詞を読めば、学生がどのように弾きたいと考えているか、学生が楽譜上の情報を正しく理解しているかいうことが、視覚的に把握することができた。 これら2つの実践的実験により、イメージを言語化することで、演奏表現向上への意欲と演奏技術改善につながることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2014年度の実験結果を精査し、イメージ・トレーニングの効果を向上させるための要素を抽出し、それが有効であるかを確かめる実践的実験を行った。また、学会発表、論文において、成果発表を行った。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのイメージ・トレーニングの効果を確かめる実験では、わずかな被験者を対象に行うに留まった。最終年度である2016年度は、被験者を増やし、本格的な実験を実施する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、学会開催地が近距離であったことと、校務と重なり参加予定にしていた学会に参加しなかったため、旅費が抑えられた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度は、学会開催地が遠方であるため、旅費として使用する予定である。また、前年度より被験者を増やした実験を実施するため、研究補助、被験者への謝礼として使用する予定である。
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