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2014 年度 実施状況報告書

文化遺産のデジタルドキュメンテーションとこれを活用した景観考古学の展開

研究課題

研究課題/領域番号 26870764
研究機関帝塚山大学

研究代表者

山口 欧志  帝塚山大学, 文学部, 研究員 (50508364)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード考古学 / 文化遺産 / デジタルドキュメンテーション / 成果発信 / 博物館展示 / 文化財科学 / 時空間情報科学 / 技術移転
研究実績の概要

本研究は、文化遺産のデジタルドキュメンテーションと、これを活かした景観考古学的な研究を推進するものである。
文化遺産のデジタルドキュメンテーションは、考古資料でいえば遺物・遺構・遺跡・遺跡周辺、所在地域の地形環境など様々な対象とするため、マルチスケールな枠組を実施しており特定の空間スケールに終始していないことが特徴の1つである。景観考古学研究は、上記のマルチスケールな資料を時空間情報を軸に統合し、過去景観を仮想復元して、景観構成およびその変化と社会の関係を明らかにしようとする。また、本研究では文化遺産のデジタルドキュメンテーションに必要な知識と技術をフィールド調査を通じて関係協力機関に技術移転を図っている。
2014年度は、本研究課題の初年度にあたる。そこでフィールド調査とこれまでに収集した資料の整理を中心におこない、成果の公開は学会発表を通じておこなった。フィールド調査は、ウズベキスタン共和国でシルクロード遺跡の発掘調査を実施し、モンゴル国では壁画墓出土遺物の3次元資料化とデジタル博物館のためのワークショップを行い、国内では北陸地方における白山禅定道の踏査などを実施した。現在これらのデータ整理を進めている。研究成果の発表は、日本考古学協会および日本文化財科学会でおこなった。
研究課題2年目にあたる2015年度は、まず5月にモンゴル国で壁画古墳の3次元計測を実施する。このほか9月にウズベキスタン共和国でシルクロード遺跡の調査、同月にモンゴル国で碑文出土遺跡周辺の微地形測量調査、6月および秋以降に国内での調査を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究が概ね順調に進展している理由は、第1に所属研究機関の受入体制が整っていること、第2に本研究課題の協力機関と密接な協力関係を構築できていること、第3に所属研究機関の研究者と研究課題の進捗状況についてコミュニケーションを取りながら常に最適化を図っていること、そして大きな計画変更の必要なく研究を進めることがてきている点が挙げられる。
また、初年度から国内外でのフィールド調査とデータの整理・解析・解釈とともに、文化遺産担当者への技術移転を目的としたワークショップを開催するなど、研究と社会還元の両方を進めることができた。また研究の成果は日本考古学協会や日本文化財科学会などで発表している点などから、研究は順調に進展していると評価した。

今後の研究の推進方策

今後の方策は、引き続き野外調査とデータの整理・解析・解釈、そして文化遺産担当者へのワークショップの開催と博物館での成果公開を進める。これまでと同様、研究協力機関や所属研究機関の研究者とコミュニケーションを取りつつ常により研究をより円滑に推進させる。

研究課題2年目にあたる2015年度は、まず5月にモンゴル国で壁画古墳の3次元計測を実施する。このほか9月にウズベキスタン共和国でシルクロード遺跡の調査、同月にモンゴル国で碑文出土遺跡周辺の微地形測量調査、6月および秋以降に国内での調査を予定している。2015年末にはモンゴル国内でモンゴル国国立文化遺産センターの主催で開催される文化遺産担当者向けの国際シンポジウムに招聘され、文化遺産の3次元デジタルドキュメンテーションを含む、遺跡の記録についての講演を行うことが内定している。
また、本研究課題の成果を含むこれまでの研究成果をまとめ、文化遺産のデジタルドキュメンテーションとこれを活用した景観考古学研究をテーマとする書籍を刊行したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

計画していた海外調査費用のうち、初年度計画分を二年目の調査費用に移行させたので、次年度使用額が生じた。調査自体は実施したので研究課題の進捗状況について大きな変更はない。
また、研究初年度に購入を予定していた調査機材が、初年度中に発売されなかったため、次年度以降に購入することとした。

次年度使用額の使用計画

主に2年目の野外調査のために使用する。使用計画では、モンゴル国での2週間の野外調査と文化遺産情報の管理・公開技術についてのワークショップの開催、ウズベキスタン共和国での2週間の野外調査をそれぞれ予定している。また沖縄でのグスク調査や北陸地方での白山信仰関連文化遺産の調査、弥生時代青銅祭器埋納地の景観記録など国内での野外調査も予定している。
また購入を予定していた調査機材が2年目に発売されるので、これの購入費用とする。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] モンゴル壁画古墳オラーン・へレム墳墓の三次元記録2014

    • 著者名/発表者名
      山口欧志
    • 雑誌名

      日本考古学協会 第80回 総会研究発表要旨

      巻: 80 ページ: 188-189

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 霊場松島の考古学的研究-岩窟群の総合的調査-2014

    • 著者名/発表者名
      荒木志伸・山口欧志・新野一浩・森田義史
    • 雑誌名

      日本考古学協会 第80回 総会研究発表要旨

      巻: 80 ページ: 180-181

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 白山信仰関連文化遺産の複眼的記録と一元管理による文化資源の創造と持続的活用2014

    • 著者名/発表者名
      山口欧志・阿部来・宇野隆夫
    • 雑誌名

      日本文化財科学会 第31回大会 研究発表要旨集

      巻: 31 ページ: 380-381

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 白山信仰関連文化遺産の複眼的記録と一元管理による文化資源の創造と持続的活用2014

    • 著者名/発表者名
      山口欧志・阿部来・宇野隆夫
    • 学会等名
      日本文化財科学会第31回大会
    • 発表場所
      奈良教育大学
    • 年月日
      2014-07-05 – 2014-07-06
  • [学会発表] Inventory of Archaeological Heritage in Japan2014

    • 著者名/発表者名
      YAMAGUCHI Hiroshi
    • 学会等名
      UNESCO Expert Workshop on Bagan Inventory System
    • 発表場所
      ミャンマー連邦共和国バガン考古学博物館
    • 年月日
      2014-06-09 – 2014-06-09
    • 招待講演
  • [学会発表] 霊場松島の考古学的研究-岩窟群の総合的調査-2014

    • 著者名/発表者名
      荒木志伸・山口欧志・新野一浩・森田義史
    • 学会等名
      日本考古学協会第80回総会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2014-05-18 – 2014-05-18
  • [学会発表] モンゴル壁画古墳オラーン・へレム墳墓の三次元記録2014

    • 著者名/発表者名
      山口欧志
    • 学会等名
      日本考古学協会第80回総会
    • 発表場所
      日本大学
    • 年月日
      2014-05-18 – 2014-05-18

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公開日: 2016-06-01  

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