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2014 年度 実施状況報告書

ドパミン作動性神経の可塑性に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26870775
研究機関徳島文理大学

研究代表者

鴻海 俊太郎  徳島文理大学, 薬学部, 助教 (40548947)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードドパミン / 側坐核 / 抑制性神経伝達
研究実績の概要

これまでの研究に引き続き、側坐核中型有棘細胞間の側方抑制に対するドパミンの調節機構の解明を行った。具体的には、側坐核を含む一部の領域に選択的に発現している受容体サブタイプであるドパミン D3 受容体の活性化が上記の側方抑制に及ぼす影響を検討した。記録した側坐核中型有棘細胞の大部分において、ドパミン D3 受容体アゴニストPD128907は、sIPSC の振幅は変えることなく、発生頻度のみを減少させた。また、sIPSCの立ち上がりや減衰にも、影響を及ぼさなかった。当該年度に、これらの結果を Neuroscience Letters に投稿した。
これまでの研究結果とあわせて考えると、側坐核においてドパミンは Gi タンパク質共役型受容体である、D2 および D3 受容体の両方を介して、側方抑制を主に抑制的に制御していることが明らかとなった。D3 受容体は、D2 受容体よりもドパミンに対する親和性が高いとされていることから、D3 受容体の活性化を介する制御は脳内で定常的に起きているか、もしくは、ドパミン神経活動が低い時でも機能していると推測される。すなわち、D3 受容体を介した制御は重要な生理機能を担っていると考えることができ、さらにその詳細を明らかにすることは、側坐核が果たしている機能を理解するために重要であると言える。現在は、慢性拘束のようなストレス負荷がドパミン神経系を介する制御にどのような影響を与えるか研究中である。前頭前野におけるシナプス伝達にストレス負荷が及ぼす影響については研究をほぼ完了しており、第88回日本薬理学会にて研究結果を発表した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

光遺伝学的手法を用いた研究については、まだ着手できていないが、側坐核shellにおける中型有棘細胞間の側方抑制に対するドパミン神経系の調節機構の詳細をより明らかにすることができた。

今後の研究の推進方策

光遺伝学的手法を用いた実験の遂行が困難な状況も考慮に入れる。
具体的には、蛍光色素 DiI の脳内注入によりドパミン作動性神経の走行を確認し、電気刺激部位の候補を選定する。これにより選定できる候補部位を刺激頻度を変えて電気刺激し、中型有棘細胞から記録される sIPSC あるいは eIPSC の発生頻度や振幅に与える影響を検討する。特に高頻度刺激(100 Hz)を行った場合に、持続的な変化が生じるか否かに着目して実験を行う。変化が見られるならば、各ドパミン受容体サブタイプ選択的遮断薬の他、各グルタミン酸受容体(NMDA 受容体および mGluR 受容体)遮断薬を用いて、薬理学的に変化の誘発に関与している受容体を明らかにする。

次年度使用額が生じた理由

当該年度に計画していたすべての実験を遂行できなかった結果、そのために必要であった物品(試薬)の購入が次年度に先送りとなった。

次年度使用額の使用計画

当該年度未遂行分の物品購入費に充てる。

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公開日: 2016-06-01  

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