研究課題/領域番号 |
26870776
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研究機関 | 聖カタリナ大学 |
研究代表者 |
長尾 由希子 聖カタリナ大学, その他部局等, 准教授 (00570821)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 複線型専門職 / 専門職 / 専攻 / 性別職域分離 / ジェンダー / 進路選択 / 学校種 |
研究実績の概要 |
本研究の対象となる「複線型専門職」の男女に対して質問紙調査を実施した。具体的には、協力回答を得た施設等経由で個人に調査票等の配布を依頼し、回収は個人から回答票を報告者宛に郵送する方法をとった。その結果、70以上の施設等のご協力を得、1,000票を超える調査票を回収することができた。単独での研究としては多い回収数であると評価できる。これも施設等のご理解およびご厚意と、愛媛県にて各種委員をさせていただいたおかげであると考えている。 現時点で、医療系の「複線型専門職」の回収票数は概ね十分であるが、教育分野(保育士・幼稚園教諭)に関してやや票が不足する。そのため、回答票の確認・エディティング・コーディング等と並行しながら若干の追加調査を行っている。また、それら作業と並行してインタビュー調査候補者を選定している。 また、関連する調査としてLGBTにおける就職活動や進路選択について当事者にインタビュー調査を実施し、学術誌に投稿した(2016年3月に修正再審査の報を受け、現在修正中である)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査票自体は学内倫理委員会も経て昨年度末には完成していたが、調査を実施しようと考えていた当時、主に以下2点の理由から回収率の大幅な低下を懸念し、個人的な判断として実施を逡巡した。第一に、マイナンバー制度導入をめぐる報道が多く続き、個人情報を含む量的調査を実施するにあたって、地域社会の対象者に何らかの不安感・抵抗感を引き起こすのではないかと考えた。第二に、報告者の勤務校が看護学科の新設を計画し、地元で報道がなされたり大学として県内で看護学科の需要把握のため各種調査を実施したりしていたため、狭い地域社会で、報告者の個人研究である本調査(看護師を含む「複線型専門職」を対象とする施設経由の調査)と連動していると誤解されるのではないかと危惧した。いずれも杞憂に過ぎなかったかもしれないが、考えあぐね、どうしても配布に踏み切ることができなかった。また経費節減のため、本調査では調査票の印刷・帳合と封入・発送・配布もほぼすべて単独で実施した。報告者の他業務等から、結果的に調査実施は年度後半以降になり、多くの施設等にご迷惑をおかけしたが、幸い70以上の施設等のご協力を得、1,000票を超える調査票を回収した。調査実施は遅れたが回収票は多く、適切かつ迅速なデータクリーニングと分析を行った上で、結果を社会に還元したい。
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今後の研究の推進方策 |
本調査は、個人研究としては多い票数を扱っているが、狭い地域社会の個人情報を取り扱うことを考慮し、報告者が単独で回収票のエディティング・コーディング等を行っている。そのためそれらの作業には一定の時間がかかるが、適切なデータ入力業者選定(プライバシーマーク取得の県外の複数の会社に見積依頼中)と納期の検討、回収票確認と並行してのインタビュー調査対象者選定により、夏期から後期にかけてはインタビュー調査に着手できる見込みである。後期には量的データと質的データを検討して概要をまとめ、学会発表を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
量的調査の実査の一部および質的調査の実査を翌年度に変更したため。
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次年度使用額の使用計画 |
量的調査の完遂、データ入力および謝礼発送、質的調査の実施。
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