KCNQ2(電位依存性K+チャネルサブユニット)の遺伝子変異は新生児発症てんかんの原因として知られており,ある種のK+チャネルの機能低下を引き起こす。この疾患の発症時期は神経伝達物質γ-アミノ酪酸(GABA)が興奮性として働く時期と一致するため,GABAが疾患に関与する可能性がある。そこで患者から発見された変異と同様の遺伝子変異を持つマウスを作成し,海馬のGABA神経回路に関する電気生理学実験を行った。その結果 GABA作動性神経細胞におけるK+チャネルの機能が遺伝子変異により低下し, GABA放出を亢進することを発見した。過剰なGABAは新生児発症てんかんに寄与すると考えられる。
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