SiC(0001)基板上に成長させたゼロ層グラフェンと基板間にパラジウム(Pd)原子をインターカレート(挿入)させてその構造と電子状態を調べた.ゼロ層の上にPd原子を蒸着した後で試料を摂氏700度以上で加熱すると,テラス上でPd原子がインターカレートした.さらにPd原子がインターカレートするとK bar点周りでディラックコーンが新たに現れたことから,Pd原子のインターカレートによってゼロ層が電気的に理想的なグラフェンになったことを確認できた.そしてディラック点の位置はフェルミエネルギーと一致していることから得られたグラフェンは中性である.さらにPd原子と基板間で電荷移動が起きたことが分かった.
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