研究課題
マウス虚血肢モデルにおいてF4/80陽性GM-CSF培養マクロファージおよびF4/80陽性M-CSF培養マクロファージの投与実験を行い、両者ともにコントロール群に比べて有意に血流改善効果を認めた。それぞれの下肢組織において免疫染色を行い、血管内皮細胞のマーカーであるvon Willebrand factor陽性細胞およびリンパ管内皮細胞のマーカーであるLYVE-1陽性細胞がコントロールに比べて有意に増加していることを認めた。さらに下肢組織では、コントロール群に比べてF4/80陽性GM-CSF培養マクロファージ投与群では有意にFoxp3陽性細胞が増加していた。同等の血流改善効果を示すマクロファージでも作用機序に違いがある可能性が示唆される。現在、JacksonよりIL-10ノックアウトマウスを入手して掛け合わせを行い、マウスの匹数を確保している最中であり、Foxp3陽性細胞が集積する原因を調べ始めている。
3: やや遅れている
IL-10ノックアウトマウス入手から匹数確保までに時間がかかっており、虚血肢の実験まで辿り着いていない。またそれぞれのマクロファージの作用機序解明についても染色などは順調に進んでいるが、細胞投与によって血流改善効果が見られた下肢へ集積する細胞の血管/リンパ管新生への関与の解析などが進んでいない。
基礎疾患のあるモデルマウスの下肢虚血部位へ細胞投与を行い、疾患特異的な細胞の選択を検討する。使用するマウスは重症虚血肢の患者の基礎疾患として多いものを選択する予定であるが、最初は我々の研究室で使用中の糖尿病モデルマウスを使用する。ただし、2型糖尿病に近い病態を作り、血糖値コントロールを行う。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)
PLoSone
巻: 9 ページ: e106987-e106987
doi: 10.1371/journal.pone.0106987. eCollection 2014.