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2015 年度 実施状況報告書

食品への照射技術の新たな応用の可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26870790
研究機関九州栄養福祉大学

研究代表者

南 育子  九州栄養福祉大学, 食物栄養学部, 助教 (50712816)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード食品 / 食品安全性 / 脂質分解生成物 / GC-MS / 食物アレルギー
研究実績の概要

食品照射に用いられる電離放射線には、主にガンマ線が用いられているが、電子線の利用も進んでいる。電子線はガンマ線に対して線量率が高いため、酸化反応が起こりにくいなど、食品成分の化学変化を抑えられると考えられる。本研究は、ガンマ線に対して電子線照射による食品中の脂質の変質の抑制について解析し、また電子線およびガンマ線による食品中のタンパク質のアレルゲン性の低減効果を解析することにより、食品への照射技術の新たな応用の可能性について検討する。
油脂標品に電子線およびガンマ線を中線量、及び高線量照射し、脂肪酸組成等の変化をガスクロマトグラフィー(GC)、及びガスクロマトグラフ質量分析(GC-MS)にて分析した。脂質は電子線、ガンマ線共に線量の増加に応じて分解等が進むことが示された。また固相マイクロ抽出(SPME)法により照射油脂の揮発成分を抽出し、GC-MSにより分析した。
照射による食品中タンパク質のアレルゲン性の低減化については、免疫学的手法を用いたタンパク質の変化の評価方法について検討した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

照射油脂の揮発成分の分析においては、揮発成分の変化が線質及び線量によって異なっていたため、さらなるメカニズムの解明が必要である。
照射による過酸化脂質の生成及び変化量の測定を試みたが、測定方法の確立には至らなかった。
照射による食品タンパク質のアレルゲン性の低減化については、アレルゲン性の評価方法のさらなる検討が必要である。

今後の研究の推進方策

電子線照射による脂質の変質の抑制の研究を継続する。脂質の酸化分解等への線質による影響の違いを主成分分析等の統計手法により評価が可能か検討する。そして研究成果を学会発表、学術論文にて公表する。
また、照射による食品タンパク質のアレルゲン性の低減化の研究を進める。電気泳動法や免疫学的手法等により、電子線およびガンマ線照射によりアレルゲン性を低減可能な食物アレルゲンを絞り込む。そのアレルゲンの変化を、特異抗体を用い免疫学的手法により解析する。さらに、アレルゲンにアレルギー反応を示す患者の血清を用い、電子線照射およびガンマ線照射によるタンパク質のアレルゲン性の低減効果を詳細に検討する。また、食品に電子線およびガンマ線を照射し、アミノ酸分析装置等を用い、食品タンパク質の分解の程度や遊離アミノ酸等と吸収線量との相関について解析する。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定より研究の進捗が遅れた。

次年度使用額の使用計画

補助員の雇用等を検討している。また照射による食品のアレルゲン性低減化の研究において、委託による抗体作成等の為に経費が必要である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] GC-MS分析のための脂質の誘導体化2015

    • 著者名/発表者名
      南育子、中川敏法、海渕覚、内田薫、岸川明日香、堀場大生、大貫宏一郎、清水邦義
    • 雑誌名

      九州栄養福祉大学研究紀要

      巻: 12 ページ: 287-290

  • [雑誌論文] 食用油の酸化による揮発成分の生成2015

    • 著者名/発表者名
      南育子、中川敏法、海渕覚、岸川明日香、室井菜緒子、奥野悦生、大貫宏一郎、清水邦義
    • 雑誌名

      九州栄養福祉大学研究紀要

      巻: 12 ページ: 285-286

  • [学会発表] ガンマ線照射と電子線照射の脂質への影響の比較2015

    • 著者名/発表者名
      南育子、中川敏法、海渕覚、岸川明日香、堀場大生、大貫宏一郎、清水邦義、等々力節子
    • 学会等名
      第51回日本食品照射研究協議会
    • 発表場所
      地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター本部(東京都江東区)
    • 年月日
      2015-11-20 – 2015-11-20

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公開日: 2017-01-06  

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