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2018 年度 実績報告書

食品への照射技術の新たな応用の可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 26870790
研究機関福岡女子大学

研究代表者

南 育子  福岡女子大学, 国際文理学部, 助教 (50712816)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード食品照射 / 食物アレルギー / アレルゲン / 加熱調理
研究実績の概要

本研究は、ガンマ線に対して線量率が高い電子線照射による、食品中の脂質の変質の抑制について解析し、また電子線およびガンマ線による食品タンパク質の抗原性の低化を解析することを目的とした。2018年度は食品中のタンパク質の抗原性の低減化について研究を進めた。
卵白および牛乳を実験材料とし、室温、大気条件下においてガンマ線または電子線を照射した。ガンマ線は線量率3kGy/h、電子線照射はビームエネルギー10MeVにて照射した。Tris-HCl buffer、あるいはSDS・2-mercaptoethanol bufferによりタンパク質を抽出した。タンパク質抽出量を測定しELISAにより卵白のオボアルブミン、牛乳のカゼインおよびβ-ラクトグロブリンの抗原性を評価した。
卵白のTris-HCl bufferによるタンパク質抽出量は、SDS・2-mercaptoethanol抽出に対して固ゆで卵および放射線の高線量照射サンプルにおいて低下した。牛乳のTris-HCl bufferによるタンパク質抽出量はSDS・2-mercaptoethanol buffer抽出に対して低下し、処理法により変化はなかった。
ELISAによる固ゆで卵白のTris-HCl buffer抽出サンプルのオボアルブミン検出レベルは大きく低下し、オボアルブミンの加熱による抗原性の低下を反映していた。放射線照射した卵白Tris-HCl buffer抽出サンプルのオボアルブミン検出レベルは減少し、抗原性の低下がみられた。牛乳のカゼイン、およびβ-ラクトグロブリンは、高線量照射・Tris-HCl buffer抽出サンプルにおいて検出レベルが低下した。
以上より、卵白および牛乳のアレルゲンにおいて電子線およびガンマ線の中線量および高線量照射により抗原性が低下することが示唆された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 加熱調理および放射線照射による食物アレルゲンの抗原性の変化2019

    • 著者名/発表者名
      南育子、井上真由莉、岩下さくら、奥野悦生
    • 学会等名
      第66回 日本栄養改善学会学術総会
  • [学会発表] 食物アレルゲンの抗原性に対する放射線照射の影響2018

    • 著者名/発表者名
      南育子、井上真由莉、岩下さくら、奥野悦生
    • 学会等名
      第72回 日本栄養・食糧学会大会

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公開日: 2019-12-27  

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