研究課題/領域番号 |
26870792
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
栗原 武志 熊本学園大学, 社会福祉学部, 准教授 (40435318)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 文検 / 體操科 / 中等教員養成 / キャリア |
研究実績の概要 |
本研究は、「文検」體操科の全体像を明らかにすることを目的とし、制度の開始(1885=明治18年)から終焉(1949=昭和24年)までの全期間を対象に、「文検」體操科の制度、試験委員、試験問題、受験者等について解明しようとするものであった。本年(平成28年)度は、1.「文検」體操科の試験問題の分析として、受験雑誌掲載の試験問題の分析欄の分析及び受験雑誌掲載の受験(合格)体験記による指摘の分析 2.中等體操科の実態分析として、體操科参考書の収集と分析及び中等體操に関する言説の収集と分析を実施後、研究報告書の作成を行い、研究のまとめとして日本教育学会や日本体育学会等で研究発表を行う計画であった。成果として、「文検」體操科の試験問題の分析は終了し、また受験雑誌掲載の合格体験記による受験者の勉強方法や心得、受験動機、受験にあたっての困難等を明らかにすることができた。さらに、一部であるが、受験記から見ることができる中等及び初等體操科の実態も分析できた。これらは、当時の教員の資質向上等にもつながる生の言説を明らかにすることであり、今日においても、その資質向上の取り組みは、教員養成等の参考に値する意義あることであり重要な視点であると考える。しかしながら、全体として、資料収集及び分析止まりに終わっており、研究報告書(論文)作成が中途で、学会発表等には至っていない。これらの一要因として、膨大な収集資料とその分析に時間をとられているからである。また、予期せぬ災害(熊本地震)にも見舞われ、地震からの復旧作業(研究室内の破損や資料散乱)とそれに伴う変則的な授業期間により思うように研究時間を確保するに至らなかった。よって、今後2年内に成果を論文としてまとめ研究発表につなげていきたいと考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
研究費交付初年度の研究開始時に学内業務(クラブ活動顧問)の担当が増え、仕事量が増えた為、思うように研究に時間を費やせず、また研究開始自体も遅れた為、初年度研究が進まなかった。2年目は、1年目の分まで取り返そうと思い、研究資料の収集に時間をかけかなりの分量の収集に至った。しかしながら、膨大な資料の為、一部分析が追いつかず、次年度に先送りした。研究最終年度の3年目(平成28年度)、新年度4月に熊本地震が発生し、学生対応や地域住民に大学が開放され避難所になったため、その避難所対応等に時間を取られ、研究の時間が十分確保できなかった。また、地震による授業期間変則の為、夏季休業期間等が短縮され、予定していた報告書作成が滞った。よって、研究に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
分析等は済んでいるので、研究報告書(論文)としてまとめ研究発表につなげていきたいと考えている。その際、資料が膨大であるので、学生アルバイト等を雇用し、必要な資料の転記をお願いし、研究の効率化及び進捗スピードを向上させたい。また、必要に応じて資料の追加収集を行い、質の高い研究につなげていきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
申請時の研究計画において、資料収集の為の旅費が9割を占めていたが、研究初年度に収集の為の出張計画が予定どおりに進んでおらず、なおかつ研究最終年度に大規模災害により研究の進捗状況が遅れたため、研究も進まず学会発表等もできず、その為の旅費等も使用できずに残額が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
研究報告書(論文)作成時に、膨大な分析済み資料の転記が必要になってくるので、転記時の雇用の為の人件費に充て、研究の進捗状況をあげたいと考える。また、追加資料収集の為の旅費、及び学会参加時の旅費として使用したいと予定している。
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