研究課題/領域番号 |
26870793
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
平松 燈 熊本学園大学, 経済学部, 准教授 (30725255)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 観光 / 高速鉄道 |
研究実績の概要 |
本研究の中心課題は、観光産業の経済効果と波及効果が地域経済に与える影響を分析する事であり、交通インフラの整備に伴う観光産業の経済効果を分析する事を目的としました。また、本研究の特色としては、多面性を持つ観光産業を応用一般均衡モデルを開発する事により分析する事です。交通インフラ整備と観光産業の重要性が増しているという、研究時期の重要性もあります。 2015年度末までに、分析モデルの作成およびシミュレーションプログラムを完成させ、また、九州新幹線開通を例に、観光産業の経済効果の分析を行いました。分析結果は、観光客数や観光産業の経済規模における変化のみならず、各県の人口や雇用の変化も示しました。注目すべき結果としては、新幹線が通過県やその他の県が受ける経済効果に違いがあるだけではなく、新幹線通過県の中でも観光産業の成長に格差が現れたことがあげられ、観光産業が衰退した県もありました。中間駅、始発駅の違いや、新幹線開通以前からの観光地、人口規模などが結果に影響を与えたと考えられます。ただし、各県の経済全体としてみると、観光産業が衰退した県でも経済規模が拡大しました。その背景には波及効果があり、ある県のある産業が刺激される事により、その産業で中間財の需要が高まります。すると、その他の県や産業の生産物も中間財としての需要が拡大する等の効果があります。九州新幹線は今後、福岡ー長崎間の開通が計画されていますが、追加的な分析として福岡ー長崎間の開通についても分析しました。 これまでに研究成果の一部を学会(九州経済学会)で報告しました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2015年度後半から2016年度前半にかけての当初の計画は、結果の整理・分析、論文作成、論文公表でした。実際には、2015年度末時点までに、結果の整理・分析および論文作成を行い、研究成果の一部は学会(九州経済学会)で報告しました。おおむね順調に進展しています。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、交通インフラの整備に伴う観光産業の経済効果を分析する事を目的とし、これまでに九州新幹線を例に観光産業の分析を中心に行いました。今後は解析的な分析を行い、時間的に可能であれば東京-大阪間のリニア新幹線の経済効果についても分析を行いたいと考えています。研究成果は学会で報告したいと考えています。
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次年度使用額が生じた理由 |
英文校正の依頼日が年度末であったため、来年度に持ち越されました。 また、追加的に作成中の論文も英文校正にまわす予定です。
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次年度使用額の使用計画 |
英文校正、学会旅費など。
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