研究課題/領域番号 |
26870794
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研究機関 | 活水女子大学 |
研究代表者 |
井上 高博 活水女子大学, 看護学部, 講師 (10382277)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 要支援高齢者 / 生活機能 / ソーシャル・キャピタル |
研究実績の概要 |
今年度の研究計画は、虚弱高齢者の生活機能を測定できる評価指標を用いて、離島・都市部・農村部在住の虚弱高齢者の生活機能評価を行う予定であった。 今年度の研究実績としては、昨年度に地域・在宅看護領域の教授らのスーパーバイズを受けて時間をかけて検討した生活機能評価と各地域の社会的特徴を測定しうるソーシャル・キャピタル指標の2指標を用いて、都市部・農村部・離島部の各地域に住む要支援高齢者(750名程)に対して調査を行なった。虚弱高齢者については、Friedらの虚弱指標を参考に体重、握力、疲労、身体活動量、歩行速度評価を基に虚弱レベルを分類する予定であったが、本研究結果の臨床への応用可能性を考慮して、わが国の介護保険制度を利活用することとした。具体的には、虚弱高齢者を要支援1および2の要介護認定を受けた65歳以上の高齢者の位置付けとした。また、測定した概要については、各地域に住む虚弱高齢者の手段的日常生活動作、状況対応、社会的役割について、生活機能評価の位置づけで測定し、社会的特徴とされる信頼、互酬性、ネットワークについて、ソーシャル・キャピタルの位置づけで測定した。現在のところ、各地域に住む要支援高齢者の生活機能とソーシャル・キャピタルとの関連性を明らかにするための統計解析に着手しているところである。また、本研究の来年度の協力依頼についても、都市部・農村部・離島部にある各地域包括支援センターに了解を得たところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
主な理由としては、調査地域が離島部や農村部、都市部と幅広く分布しており、それらにある施設から研究協力の同意を得て、研究協力を頂き、調査データを得るために非常に多くの時間を要したことにある。また、新たにソーシャル・キャピタルの測定を追加したため、さらに多くの時間を要したことが考えられる。結果的には、今年度予定していた各地域の調査実施は遂行できた。調査データが完全に揃ったのが3月末であったため、統計処理にやや遅れが生じている状況にはあるが、統計解析は主に研究者自身が行なうため、現在の遅れを取り戻せるであろうと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今年度実施した各地域において、要支援高齢者の生活機能とソーシャル・キャピタルの変化を確認するために再調査を行なう。その調査に関する旅費および研究協力者への謝金のほか、各地域での会議費用、大学院の指導教授らの技術的アドバイスを受けるための諸費用(主には旅費)、本研究に関する各種データ整理のための人件費、当該研究に関連する図書費、さらには当該研究に関する結果を公表するための学会発表の旅費および投稿論文費用などの経費を予定している
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次年度使用額が生じた理由 |
調査データが完全に収集できた時期が3月末であったため、使用計画に影響を及ぼしている。具体的には、調査データの入力などを担当したアシスタントへの人件費については反映されていないこと。また、全調査データの全体像(度数分布や平均値、中央値、分散など)を把握した後に、地理的要件も考慮した適切な統計解析ができるソフトウェアの購入を計画していたが、調査データ収集の遅れから、その購入時期が年度を超えることになった。
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次年度使用額の使用計画 |
アシスタントへの人件費の支払いのほか、統計解析ソフトウェアの購入を考えている。統計解析ソフトウェアに関しては、既に業者の見積もりも行なっているが、今年度に繰り越した予算を上回る見積もり額が計上されている。
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