本研究では、DVサバイバーが自身の被害体験をDV概念で捉える経験の検討、およびDV事例を担当したことのある支援者の面接におけるDV概念使用に関する経験の検討を行った。その結果より、DV被害者支援において支援者は「DV」という言語を安易に用いるのではなく、「DV」という言語と自身の暴力被害体験を結びつけることは被害者にとって困難な場合があることを理解し、その言語をどう使っていくか、及び被害者が自分の体験とDVを結び付けることをしていくかどうかについて話し合い、被害者と共に再構成していくなど留意することが必要であることが示唆された。
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