わが国では年間約10万人の子どもが親を亡くしているが、遺児の理解や対応は不十分であり、家庭や学校、病院、地域での不適切な対応によってさらなる傷つき体験をしている。本研究は、コミュニティにおける遺児支援を充実させることを目的とし、各支援者を対象に遺児のイメージ調査、遺児支援プログラムに参加している子どもと家族を対象に、参加前後の心理的・社会的特性の変化を調査した。結果、遺児のイメージ調査では、支援者の属性によって異なり、特に医療関係者は、ネガティブなイメージを抱いていることが示唆され、プログラム参加前後の調査では、家族の心の健康度、子どもの多動性・向社会性、家族の社会的支援が改善されていた。
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