本研究は、戦後日本における障害乳幼児支援の展開過程とその特質について、展開要因を明らかにすることを目的とした。その結果北海道は全国で一番「ことばの教室」設置がなされ、行政と親の会等との協働により整備が進められた可能性を見出した。さらに北海道真駒内養護学校言語治療教室は道内での「ことばの教室」整備を進める社会的機能を有するとともに、親の会の拠点機能、教師教育機関としての機能を有することにより、道内の「ことばの教室」設置の原動力の一つとなっていた。 本研究は、今後の教育史、児童福祉史研究における障害乳幼児支援研究を進める上で、複数の研究領域から複合的アプローチを試み、新たな研究視座をもたらした。
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