本研究の目的はポピュレーションアプローチの一環として食教育を行う際、性別、年代、その他の属性や理解度によって重点的に行うべき情報提供や説明項目を明らかにすることである。今年度は、成人前期および壮年期を調査対象とした。食生活には季節変動がみられるため、対象者を4-5月(春)、7-8月(夏)、10-11月(秋)、12-1月(冬)の4回に分けて調査を行った。今年度の初回の配布数は、成人前期90名、壮年期女性98名、壮年期男性98名であり、同意して初回に回収した人数は成人前期女性49名、成人期男性12名、壮年期女性61名、壮年期男性51名だった。4回とも回収できた人数は、成人前期女性36名、成人期男性9名、壮年期女性34名、壮年期男性27名だった。 食事バランスガイドの認知度および今後の活用意思は、男性は女性と比較して低かった。摂取の摂取の目安のSV(Serving)を記載してもらったところ、男性は女性と比較して、副菜の目安が少なく、主菜の目安が少ない傾向だった。1割程度は、主食にご飯などと数字以外を記載していた。男性は女性と比較して、朝食果物および昼食牛乳・乳製品の欠食率が高く、朝食主食の欠食率が高い傾向だった。主食、副菜および主菜で欠食率が50%を超えていたものは、女性の朝食主菜だった。1日を通して欠食率が50%を超えていたものは、男性の果物だった。対象者が記載したSVと料理名から推測したSVの差に、男女の差は見られなかった。料理名から推測したSVは、男女とも主菜は基準の摂取目安の範囲だったが、その他の料理区分では基準の摂取目安に満たなかった。食意識・食知識および栄養素等摂取量は、昨年度と大きな差は見られなかった。 以上の結果から、今年度は特に壮年期男女における食事バランスガイドの注意点の違いを明らかにした。
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