O-H伸縮振動 及び N-H伸縮振動の第一倍音の振動数と吸収強度が水素結合形成や溶媒依存によってどのように変化するのかを赤外・近赤外分光法と量子化学計算法によって検討した。水素結合形成では分子振動の非調和性を増大するが第一倍音の吸収強度は減少することを水素結合形成モデルによる量子化学計算によって確かめることができた。また、溶媒依存による変化は溶媒の誘電率と相関を持つことが多いことが分かった。誘電場に伴う低波数シフトでは、第一倍音の吸収強度は増大することを、連続誘電体モデルによって解釈することができた。そして、第一倍音の吸収強度は基本音よりも分子間相互作用に対して敏感であることが分かった。
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