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2015 年度 実施状況報告書

確率分布の無限分解可能性とカーネルベイズ推論

研究課題

研究課題/領域番号 26870821
研究機関電気通信大学

研究代表者

西山 悠  電気通信大学, その他の研究科, 助教 (60586395)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードカーネル法 / カーネル平均 / カーネルベイズ / 無限分解可能分布 / 安定分布 / 一般化双曲系型分布 / Convolution Trick / セミパラメトリックカーネルベイズ
研究実績の概要

機械学習におけるカーネル法では,確率分布の処理にカーネル平均を用いたアルゴリズムが研究されている.カーネル平均は,確率分布の特徴写像による再生核ヒルベルト空間(RKHS)内での平均で定義され,データの特徴量に対して,確率分布の特徴量を考える自然な拡張である.確率分布からカーネル平均への写像が単射となる正定値カーネルを特性的カーネルと呼ぶ.特性的カーネルは,カーネル平均により確率分布を一意に定めることが可能という意味で重要な性質である.カーネル平均表現でベイズ推論を行うカーネルベイズ推論でも,特性的カーネルを使うことを基礎とする.有界連続な対称無限分解可能分布の密度関数から作られる正定値カーネルをConvolutionally Infinitely Divisible (CID)カーネルと呼ぶ.CIDカーネルは特性的カーネルである.本年度はCIDカーネルの(加法,積,畳み込み演算による)閉構造の性質を明らかにする研究を行った.また,2つのRKHS関数f,gが特徴量の線形結合で表されるとき,fとgのRKHS内積はkernel trickにより容易に計算可能であるが,f,gが無限分解可能分布のカーネル平均の線形結合で表される関数形でもRKHS内積計算が可能となるようなconvolution trickの研究を行った.CIDカーネルを持つ畳み込み半群について,convolution trickが成り立つ.これらの数学的事実とともに,状態空間モデルにおけるノンパラメトリックカーネルベイズスムージングアルゴリズムの開発に成功した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

CIDカーネルの集合について,(加法,積,畳み込み演算による)閉構造の性質を明らかにすることは重要である.Kernel Trickの拡張であるConvolution Trickを明確に与えておくこともカーネル法の基礎として重要である.また状態空間モデルにおけるノンパラメトリックカーネルベイズスムージングアルゴリズムを開発することに成功し,ソフトウェアへの実装も行った.このアルゴリズムは,セミパラメトリックカーネルベイズスムージングアルゴリズムを開発するために足がかりとなり重要である.

今後の研究の推進方策

今年度、状態空間モデルにおけるノンパラメトリックカーネルベイズスムージングを開発することに成功したが,新たにパラメトリックモデルと組み合わせるカーネルベイズ則(モデルベースカーネルベイズ則)を提案する研究を行う.これを提案することで様々な条件下でセミパラメトリックカーネルベイズ推論が適用可能となる.カーネルベイズの枠組みを豊富にする研究を行う.状態空間モデルにおけるセミパラメトリックカーネルベイズ推論を提案する.

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2016 2015 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件) 備考 (2件)

  • [国際共同研究] University College London(英国)

    • 国名
      英国
    • 外国機関名
      University College London
  • [国際共同研究] Georgia Institute of Technology(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Georgia Institute of Technology
  • [雑誌論文] Filtering with State-Observation Examples via Kernel Monte Carlo Filter2016

    • 著者名/発表者名
      Motonobu Kanagawa, Yu Nishiyama, Arthur Gretton, and Kenji Fukumizu
    • 雑誌名

      Neural Computation

      巻: 28 ページ: 382-444

    • DOI

      doi: 10.1162/NECO_a_00806

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Nonparametric Kernel Bayes Smoothing on State Space Models2016

    • 著者名/発表者名
      西山悠
    • 学会等名
      新学術領域研究「スパースモデリングの深化と高次元データ駆動科学の創成」2015年度公開シンポジウム
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2016-03-07 – 2016-03-07
  • [学会発表] kNNを用いたカーネルベイズの計算量削減法の検討2015

    • 著者名/発表者名
      苗村智行, 都築俊介, 西山悠
    • 学会等名
      第18回情報論的学習理論ワークショップ(IBIS2015)
    • 発表場所
      筑波大学,茨城
    • 年月日
      2015-11-26 – 2015-11-26
  • [学会発表] カーネルベイズスムージングとカーネル平均Toolboxの作成2015

    • 著者名/発表者名
      西山悠
    • 学会等名
      第25回日本神経回路学会全国大会(JNNS 2015)
    • 発表場所
      電気通信大学, 東京
    • 年月日
      2015-09-04 – 2015-09-04
  • [学会発表] Nonparametric Smoothing on State Space Models with Kernel Mean Embeddings2015

    • 著者名/発表者名
      Yu Nishiyama, Amir Hossein Afsharinejad, Shunsuke Naruse, Byron Boots, Le Song
    • 学会等名
      STM2015 & CSM2015
    • 発表場所
      The Institute of Statistical Mathematics, Tokyo
    • 年月日
      2015-07-15 – 2015-07-15
    • 国際学会
  • [学会発表] Nonparametric Smoothing on State Space Models with Kernel Mean Embeddings2015

    • 著者名/発表者名
      Yu Nishiyama, Amir Hossein Afsharinejad, Shunsuke Naruse, Byron Boots, Le Song
    • 学会等名
      1st Symposium on Intelligent Systems in Science and Industry (SISSI)
    • 発表場所
      Max Planck Institute, Tuebingen
    • 年月日
      2015-07-12 – 2015-07-12
    • 国際学会
  • [備考]

    • URL

      https://sites.google.com/site/ynishiyam/home

  • [備考]

    • URL

      http://www.is.uec.ac.jp/staff/list/ss/nishiyama-yu.html

URL: 

公開日: 2017-01-06   更新日: 2022-02-03  

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