研究課題
本研究の主眼は次世代のスパコンの仕様に合ったニュートリノ輻射輸送の手法を開発することであった。昨年度、その主たる開発目標であるM1-Closureの論文が出版されており、本年度はそのコードを速く走らせるためのチューニングに力を注いだ。また、輻射輸送法を他グループと比較する計画も大いに発展した。一方Sn法はコード開発はほぼ終了しているが、サイエンティフィックランと論文執筆は今後行う予定であり急ぐ必要がある。本研究で用いられているM1-Closureではニュートリノのエネルギーごとにグリッドを切り、それぞれ計算している。特にニュートリノと物質の相互作用を計算するパートでは、その個数と運動量の4変数について、一般に240x240逆行列を解く必要がある。最新のスパコンを用いても1日1msしか計算が進まないような状況であったため、逆行列の解き方等を工夫し、計算を数倍スピードアップさせた。現在、このコードで計算を進めている。また、近年、”似たような”セットアップで計算しているのに、計算するグループごとで結果が違うということが超新星のモデル化で大きな課題になっている。この問題を解決するため、アメリカ・ドイツのグループの計算に対して慎重にセットアップを合わせた。結果、ほとんど同じ結果を得ることが分かった。つまり”似たような”といっても少し違うセットアップで計算していることが結果の違いを生んでいることがわかった。Sn計算はこれまでラグランジュ的手法で解かれていたコードを我々のオイラー的手法で解くコードに移植し、テスト計算でおよその一致を得るところまで計算が進んでいる。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 5件)
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