小笠原乾性低木林において土壌乾燥にともない樹木がどのように水を利用しているのか調べ、強度の乾燥条件下で樹木がどのように乾燥枯死から耐えているのかそのメカニズムを明らかにした。乾燥にしたがい道管内の水は水切れを起こしており、それと同時に木部にあるデンプン量が減少し、可溶性糖量が増加していた。これにより降雨後の通水回復が速やかに行われると考えられる。また、乾燥にともない幹や枝の呼吸速度も低下していた。このように乾燥による樹木の応答には非構造性炭素や呼吸といった炭素利用が大きな役割を担うことがわかった。
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