超低温保存したブタ未成熟卵子による胚生産をさらに効率的にするために、ガラス化処理によって細胞質に生じる障害を調べるとともに、ガラス化処理法と胚培養条件の最適化を試みた。一部の卵子では核成熟の時期が異常に早かった。また、核小体と細胞骨格にも障害が現れたが、それらはやがて回復した。ガラス化保存の改良点として、処理に用いる薬剤や温度を細かく調整し、最適な組み合わせを見出した。さらに、アポトーシスを抑制するレスペラトロールを使用することで胚盤胞への発生率が向上した。これらの改良点を取り入れることで、従来よりも簡便な方法となり、当初の目的であった胚生産の効率化も達成することができた。
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