大気圧下での物質表面を観測し、表面、界面の化学反応を電子状態とその空間分布をもとに研究することを目的として測定手法の開発を行った。大気圧下での測定を実現させるため、厚さ100nm程度の薄膜を大気圧と真空を仕切る窓材として用い、軟X線を照射によって生じる軟X線発光を観測する実験装置を構築した。この装置を用いて電極上での反応に関する分光研究を行った結果、反応後の生成物の観測が可能であることが判明した。一方、反応過程にある分子に関しては密度が低いため、現状では観測が困難であることが分かったが、電極表面を多孔質化して表面積を増加させることで観測が可能になることを示唆する結果が得られた。
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