研究課題/領域番号 |
26870863
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研究機関 | 成蹊大学 |
研究代表者 |
豊田 航 成蹊大学, 理工学部, 助教 (90609257)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 視覚障害特性 / 点図 / 弁別 |
研究実績の概要 |
2015年度には,以下の2つの課題に取り組んだ. 第一に,当初の予定通り,点図における凸点の高さ弁別特性の評価実験を行った.実験の結果,弁別可能な凸点の高さの具体的な寸法差が明らかとなった.また,視覚を遮断した高齢晴眼者は,視覚障がい者に比べて弁別に必要な高さの差が顕著に大きかった.このことから点字プリンター等で,数種類の高さの凸点を用いて点図を印刷する際には,点図ユーザーの触覚感度を考慮した高さの違いをもった凸点を印字する必要があることが明らかとなった. 2016年度には,2014~2015年度の実験で得られた高さと先端部の曲率半径の弁別可能な高さの凸点を用いて,実用場面でも読みやすい点図が作成できることを確認する実験を行う.そこで第二の課題として,この実験で用いる点図の実験条件を定めるために,触図を利用する現場の歩行訓練士に対するヒアリング調査を実施した.その結果,歩行訓練において作製される機会が多い道路交通環境を示すための触図を用いた実証評価が有用であることが明らかとなり,次年度の実験計画に直接参考になる知見を得た.なお,付随する成果として,歩行訓練における触図の利活用の実態が明らかとなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り,進展している.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り,2016年度には,2014~2015年度の実験で得られた高さと先端部の曲率半径の弁別可能な高さの凸点を用いて,実用場面でも読みやすい点図が作成できることを確認する実験を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
実験協力謝金が実験時間の短縮によって大幅に安価に抑えられた点,2015年度に投稿予定であった論文の投稿時期を2016年度に変更し,予定していた英文校正費を2016年度に支出することになったため.
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次年度使用額の使用計画 |
2016年度に行う実験の試料製作費,実験謝金を支出する.2016年度の実験データをより効率的に収集・分析するために,分析補助者に対する謝金支払いと,分析用PCおよび解析ソフトの購入を予定している.また,最終年度であるため,成果発表のための学会出張旅費,投稿論文の英文校正費などを支出する予定である.
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