研究課題
ヘルメットPET装置では、半球状に検出器を配置したヘルメット部によって頭頂部の感度を大幅に高めることが可能であるのに加え、あごの位置に追加検出器を配置することで、ヘルメット部だけでは低くなっていた中央部の感度を効率的に高めることが可能である。前年度までに試作機を開発し、あごの追加検出器によって、ヘルメット部底面の画質が改善されることを確認した。今年度は、今後の改良を見越し、ヘルメット部の構成方法として、試作機開発で採用した径の異なるリングを半球に接するように配置するマルチリング方式と、すべての検出器の底面が中心を向くように配置する半球方式の比較をモンテカルロシミュレーションによって行った。その際、現在の試作機で用いているGSOZシンチレータではなく、より効率の高いLuベースのシンチレータを想定し、ブロックの厚みを2㎝と仮定して検討した。また、ブロックのサイズは、これまでの検討で感度が最も高かった5㎝角とした。その結果、半球方式の方がさらに高い感度が得られることが明らかになった。また、イメージングシミュレーションの結果、半球方式の検出器配置でも画像再構成をして得られる画質に問題ないことを確認した。また、MPPCを受光素子として、片面からの読み出しで、深さ方向2層の識別可能なDOI検出器の試作を行った。シンチレータとしては1.5mm角、長さ5mmのLYSO結晶を用いた。その際、上部のシンチレータを半分ずらして、下部のシンチレータの応答の間に上部の応答が現れるスタガー方式のDOI検出器とした。この方式では、視野に近い上部のサイズを小さくすることができ、不感領域を少なくすることが可能となる。Na-22線源を用いて一様照射した結果、すべてのシンチレータの応答が明瞭に別れ、DOI識別が可能であることが示された。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 備考 (1件)
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