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2018 年度 実績報告書

日本語母語話者を対象とした日本語音響特徴の聴取訓練法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26870865
研究機関科学警察研究所

研究代表者

網野 加苗  科学警察研究所, 法科学第四部, 研究員 (70630698)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード聴取訓練 / 実用音声学 / 日本語 / 母語話者 / 音響特徴 / アクセント
研究実績の概要

本研究は,日本語音声言語を専門的に扱う職業(音声学者,日本語教師,言語聴覚士,アナウンサー,音声鑑定人など)に就く日本語母語話者を対象とした音響特徴の聴取訓練プログラムを開発することを目的としている.音楽経験のある聴取者の方が音響特徴の聴取成績がいい点に注目し,音感(音の高さ,強さ,音色の感覚)の訓練を導入することにより,音響特徴の聴取成績が向上するかどうかを検証した.対象となる音響特徴は,予備実験の結果,特に苦手意識を持つ人が多かった日本語のアクセントパターンとした.
20歳~40歳代の日本語母語話者35名を,訓練群(アクセントおよび音感訓練を実施する群)と非訓練群(アクセント課題のみを実施する群)に分け,1~2ヶ月おきに最低2回,最大4回,実験を実施した.全聴取者の初回の実験結果から,日本語母語話者による日本語アクセントの知覚は,弁別より識別が困難であり,特に識別では能力の個人差が大きいことが分かった.さらに,アクセントの聴取成績は,音感のうち音の高さの弁別と正の相関があることも示された.複数回の実験結果を群間で比較したところ,群間差は有意ではなく,音感訓練の有効性は確認できなかった.
しかしながら,訓練の効果自体は有意であり,どの群においても,実験の回を重ねるごとに,アクセントの聴取成績は向上した.日本語音声言語を専門とする職業に就く場合,音の高さの聴取能力が高い方が,日本語アクセントの聴取には有利であるものの,1~2ヶ月に一度のアクセント聴取訓練(20分程度)を続けることで,アクセントの聴取能力が向上することが示唆された.
最終年度は,以上の結果を論文にまとめて投稿し,採録が決定した.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Listening training in Japanese pitch accent for native speakers of Japanese: relationship with sound sensitivity2019

    • 著者名/発表者名
      Amino, K.
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Reference data on Japanese vowel devoicing: effects of speakers' and parents' places of origin and within speaker variability2018

    • 著者名/発表者名
      Amino, K., Makinae, H., Kamada, T., Osanai, T.
    • 雑誌名

      Acoustical Science and Technology

      巻: 39(3) ページ: 207-214

    • DOI

      10.1250/ast.39.207

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 科学館の科学教室における音響教育に関する調査2019

    • 著者名/発表者名
      網野加苗
    • 学会等名
      日本音響学会春季研究発表会
  • [学会発表] 時期差のある単語発話を用いた話者照合における標準化・正規化変換の効果2018

    • 著者名/発表者名
      長内隆,網野加苗,蒔苗久則,鎌田敏明
    • 学会等名
      日本法科学技術学会第24回学術集会
  • [学会発表] 言語形態を用いた地域性推定における共通語形の影響2018

    • 著者名/発表者名
      網野加苗,蒔苗久則,鎌田敏明,長内隆
    • 学会等名
      日本法科学技術学会第24回学術集会

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公開日: 2019-12-27  

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