ブルキナファソ(以下ブ国)のT保健区の農村部に暮らす20~45歳の女性に対面式の質問紙調査を実施し、実子の5歳未満での死亡経験と家族計画のアンメットニーズを目的変数としたロジスティック回帰分析を行った。調査では、563人(有効回答率100%)を分析対象とした。対象者の金融講の加盟率は14.4%で、金融講加盟群の相互支援量は、合計・獲得型・提供型の全てで非加盟群に比べ有意に高かった。支援内容別では、経済的支援の獲得と提供等で加盟群が非加盟群より有意に平均値が高かった。支援者のパターンの特徴では、金融講加盟群では支援者なしの割合が少なく、相互支援の対象の選択肢が多様な傾向が示された。また、金融講加盟群は動物性蛋白質の摂取頻度が高く、なかでも講メンバーから支援を獲得している女性は家族計画を除く健康増進行動を採用している傾向が示された。多変量解析の結果では、実子の5歳未満での死亡経験は、30歳以下の群で施設分娩の実施、単婚と負の関連にあり(それぞれOR=0.050(95%CI;0.005-0.519)、OR=0.387(95%CI;0.156-0.961))、31歳以上の群では夫の教育歴と負の関連があった(OR=0.326(95%CI;0.109-0.975))。家族計画のアンメットニーズは産前健診の実施、夫の出稼ぎと負の関連にあった(それぞれOR=0.470(95%CI;0.258-0.856)、OR=0.332(95%CI;0.173-0.637))。いずれの分析でも母子の健康アウトカムと金融講加盟および相互支援量との間に有意な関連は示されなかった。
|