分子生物学的な特徴がほとんど知られていない大細胞神経内分泌肺癌(LCNEC)78例を対象として、切除例(65例)と進行例(13例)の両者で標的遺伝子解析を行い、LCNEC遺伝子変化の全体像を把握した。小細胞肺癌(SCLC)と同様、がん抑制遺伝子TP53、RB1に高頻度に遺伝子変異を認めた。一方PI3K/AKT/mTOR経路の遺伝子異常は13例(17%)に認められ、またEGFR、ERBB2遺伝子に、それぞれ1例(1%)、1例(1%)の既知の活性型変異を認め、いずれも治療標的の候補と考えられた。LCNECとSCLCの遺伝子プロファイルは似通っており、本研究で有望な治療標的候補を同定できた。
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