リン脂質代謝酵素であるLPCAT3が、生体内においてアラキドン酸含有のリン脂質の生合成に寄与している事を明らかにした。またLPCAT3欠損マウスは、生後1週間以内に死亡する事がわかった。LPCAT3欠損マウスの小腸では生後1日目に大量の脂質(中性脂肪:トリグリセリド)蓄積が見られ、これが局所的なアラキドン酸含有リン脂質の減少による可能性をin vitroの実験より示唆した。この脂質蓄積によって、LPCAT3欠損マウスでは小腸の機能不全が起こっていると推察され、それによる低血糖や血中の中性脂肪の濃度低下が観察された。これらの事が、LPCAT3欠損マウスにおける新生児致死の要因である事を示した。
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