研究課題
本研究は、1.ChIP-seq解析により得られたSOX9の新規標的遺伝子候補の中で、新たな機能因子を明らかにする、2.先行研究で同定したDhhを含めた新規標的遺伝子のin vivoでの発現におけるSOX9の重要性について解析する研究である。平成27年度は、1.軟骨細胞でCreを発現するCol2-CreマウスとCreが発現する細胞でレポーター遺伝子を発現するRosa26 reporter(R26R)マウスを交雑させて作製したマウスと、セルトリ細胞でレポーター遺伝子を発現するSRY-GFPマウスを用いて、それぞれ、胎生期の軟骨細胞、セルトリ細胞を単離した。これらを試料としてRNA-seq解析を行い、それぞれの細胞で高発現する遺伝子を同定した。このRNA-seqデータとChIP-seqデータとを組み合わせて解析を行い、それぞれ325、32の有力なSOX9の標的遺伝子候補を同定した。これらをさらに、Gene Ontology解析することで、軟骨で9、セルトリ細胞で3の機能未知の標的遺伝子候補を同定した。2.平成26年度に作製したDhhの制御領域内のSOX9の結合領域および、精巣形成時において、SOX9と協調して働くNR5A1(Ad4BP1/SF1)の結合領域を欠損した遺伝子改変マウスを詳細に解析した。野生型のマウスに比べて、SOX9とNR5A1の結合領域を両方欠損させたマウスの胎生13日の精巣ではDhhの発現が約4割減少していた。しかし、出生直後の精巣ではその発現に差異が無く、成体では大きな表現型は観察されなかった。これらの結果は、SOX9とNR5A1は胎生期のDhhの発現において協調的に働くことで促進していることを示しているが、発現の維持においては必須では無いことを示している(論文投稿準備中)。
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Sci Rep
巻: 6 ページ: -
doi: 10.1038/srep20179.
巻: 5 ページ: -
10.1038/srep11221.
http://reins.tmd.ac.jp/html/100008129_ja.html