研究実績の概要 |
他研究費で行われた「アトピー性皮膚炎乳児を対象とした卵アレルギー発症予防研究」において、鶏卵特異的IgE, IgG1, IgG4, IgAを検討し、IgG4, IgAは早期から摂取開始する群において有意に産生が増加していたことを明らかにした。これは、アトピー性皮膚炎の治療をきちんと行い、早期から摂取することで、IgEからIgA、IgG4へのクラススイッチが誘導されたことにより耐性を獲得した可能性を示唆する結果であった(Lancet誌掲載)。 さらに、同対象において、生後4か月未満での普通ミルク摂取がクラススイッチに与える影響も検討したところ、同様に早期から普通ミルクを摂取継続している方が牛乳特異的IgA, IgG4が誘導されていることを明らかにした(日本小児アレルギー学会にて発表、論文投稿準備中)。 これらのことから、乳児期早期の経口摂取は食物特異的IgEからIgA, IgG4へのクラススイッチを誘導する中心的な刺激である可能性が考えられ、食物アレルギーの予防法として重要であることを明らかにすることができた。
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