トルコでは古代から舗床モザイクが数多く制作されてきました。シリア国境沿いの町には、高度な布置技法を用いて制作された大規模なモザイク床が残っています。それらの古典技法は、イスタンブールまで伝播し、後世の壁面モザイクに応用されています。 また、近年の活発な発掘により舗床モザイクも発見されていますが、十分な調査研究や保存方策は実施されていません。 本研究では、トルコに残る舗床モザイクの材料・技法の系譜をたどることを目的とし、イスタンブール、サムスン、カラデニスエレーリ、ハタイでモザイク調査を実施しました。現状記録と材料・技法に関する考察をもとに、博物館学芸員と保存方策についての検討も進めました。
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