研究課題/領域番号 |
26870898
|
研究機関 | 帝京大学 |
研究代表者 |
藤澤 明 帝京大学, 文化財研究所, 講師 (70720960)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | ジョージア / ヒ素銅 / 青銅 / 合金設計 |
研究実績の概要 |
昨年度の調査において、初期青銅器時代の資料を含む多くの銅合金製資料がジョージア国立博物館に収蔵されていることが明らかとなったため、今年度は、ジョージア国立博物館での調査を重点的に行った。 2015年5月および11月に現地調査を実施し、約100点の資料の調査を行った。これにより合計約150点の調査を終え、本研究の目的としてる当該地域における銅合金の合金設計技術の時代的変化の概略を明らかにすることができた。これと同時に、現在行っている非破壊分析の問題点も明らかとなった。 まず、過去に修復されている資料については、過去の処置により亜鉛が表面に付着しているため、合金成分を明らかにすることが難しいこと、第二に、表面からの分析であり、過去の資料内部の試料の分析結果と齟齬があることである。 そこで、共同研究者と議論した結果、資料の内部から試料を採取してより詳細な分析を本邦で行うこととした。これを今年度中に実施予定であったが、試料を採取するにあたり、博物館内外での許可申請が間に合わなかった。そこで、本研究の期間延長申請を行った。2016年4月時点において、試料の本邦への持ち出し許可申請が終わっており、2016年9月に試料と共に共同研究者を本邦へ招聘し、誘導結合プラズマ発光分光分析を実施予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
試料の本邦への持ち出し許可申請に時間を要したため、期間延長申請を行った。また、本邦で使用する分析装置の導入が2015年12月となり、2016年度に分析を行うこととした。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでに非破壊において約150点の調査を行った。得られたこれらのデータの信頼性を担保するために、約30点の試料の破壊分析を実施する。この分析には、誘導結合プラズマ発光分光分析装置が必要であり、現地ではできないため本邦で実施する。2016年8月までに分析の環境を整え、2016年9月に試料と共に共同研究者を招聘する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
資料から試料を採取し、本邦へ移送するための許可申請に時間を要したため、2016年度に調査を延期した。
|
次年度使用額の使用計画 |
2016年8月までに本邦での分析環境を整え、2016年9月に資料と共に共同研究者を招聘する。
|