ナノスペースを利用した究極の低次元材料として、イオン結晶性原子鎖の合成に成功した。実験と理論計算からこのイオン結晶性原子鎖はバルク状態とは異なる物理特性を有すること、たった一つの空孔の導入で物性を変調できることなどがわかった。また付随的にナノスペースに閉じ込めた軽元素を単原子レベルで可視化する手法を開発し、リチウムやナトリウム、フッ素、塩素といった従来の電子顕微鏡では捉えることが難しかった元素を単原子レベルで分光することに成功した。さらに詳細な物性評価にも挑戦し、高分解能電子エネルギー損失分光法によりカーボンナノチューブの欠陥一つに由来する局所的な電子状態を捉えることに成功した。
|