膵癌に対し外科切除を行った22例の検体を用いて、全エクソン、全遺伝子解析を施行した。膵癌主要4遺伝子のうち、KRASでは15例、TP53では12例、p16では4例に発現異常を認めた。腫瘍組織では、受容体型チロシンキナーゼの発現が亢進している症例が多く、6例でFGFR3、ERBB3の発現亢進を認めた。そのほかの遺伝子ではJAK3、CSF1Rで2例、MET、PDGFRAでは、複数症例において発現亢進しているものは認めなかった。FGFR3発現亢進例では、非亢進例と比較し、無再発生存率が有意に不良(P=0.047)であり、全生存率も有意に不良(P=0.048)であった。
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