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2015 年度 実績報告書

神経変性疾患におけるシナプスのミトコンドリアタンパク質低下の新規メカニズムの解明

研究課題

研究課題/領域番号 26870921
研究機関国立研究開発法人国立長寿医療研究センター

研究代表者

関谷 倫子  国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, アルツハイマー病研究部, 研究員 (40367412)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードミトコンドリア / ショウジョウバエ / アルツハイマー病
研究実績の概要

シナプスでのミトコンドリア機能障害は,アルツハイマー病(AD)を含む多くの神経変性疾患において神経失調・変性の引き金になると考えられている。本研究では,ADモデルショウジョウバエのミトコンドリアで初期に認められる,ミトコンドリアタンパク質の低下に着目し,その原因とメカニズムの解明を目的とした。
モデルタンパクとしてミトコンドリ移行シグナルを持つGFPタンパク質(mito-GFP)を発現させたADモデルでは,病態初期の神経細胞体でmito-GFPが凝集体様構造として観察されたことから,細胞体でミトコンドリアタンパク質の凝集が起こる事により,タンパク質のミトコンドリアへの移行が阻害され,シナプスのミトコンドリアタンパク質が低下するのではないかと考えた。
薬剤により成虫でmito-GFPを発現させ経時的に観察すると,最初に細胞体にmito-GFPが発現し,その後シナプス(軸索と神経突起)でmito-GFPが発現する。またミトコンドリア機能に重要なタンパク質をノックダウンした状況では,mito-GFPは細胞体で増加するものの,シナプスでの発現が著しく低下する。これらの結果から,細胞体でのミトコンドリアタンパク質の凝集が,シナプスのミトコンドリアタンパク質の低下と関連する可能性が示された。
さらに,ADを始めとした神経変性疾患で報告されている,オートファジーの亢進,小胞体ストレスの亢進,シャペロンタンパク質の発現変化に着目し,これらがミトコンドリアタンパク質の凝集体様構造の形成とシナプスのミトコンドリアタンパク質低下に与える影響について検討を行ったところ,成虫の神経細胞でオートファジーを亢進した場合にのみ,ADモデルと同様の現象が観察された。この結果から,ADモデルで初期に認められるミトコンドリアタンパク質の低下には,オートファジーの亢進が関与している可能性が示唆された。

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公開日: 2017-01-06  

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