β-klothoノックアウトマウス(KO)が示す胎児(胚)の発育抑制および出生後の体重減少のメカニズムを解明することを目的として、解析を行った。胎生期におけるβ-klothoの発現局在を検討したところ、母体から供給される栄養の吸収・代謝を担う卵黄嚢の内胚葉細胞に主に発現していることが分かった。RNAシーケンス法による網羅的遺伝子発現解析によって、KO卵黄嚢では栄養素の代謝酵素やトランスポーターの遺伝子発現が変化することが示された。以上の結果から、卵黄嚢のβ-Klothoが栄養素の代謝・輸送関連遺伝子の発現調節を介して、胚への栄養供給を制御している可能性が示唆された。
|