遺跡出土の食料残滓から、古墳時代~古代における動物食の実態を検討した。古代都城の研究では、藤原宮跡や平城宮跡から出土した動物遺存体の分析をおこない、都市部への海産物の流通形態を考察した。地方の研究では、文字資料に残りにくい食生活の実態を明らかにするとともに、令制以前における海産物の貢納やその歴史的変遷を論じた。また、考古資料と文字資料を比較することにより、食品に対する大きな価値の差異が認められ、「中央へ貢進するための食料獲得活動」と「地元で流通・消費するための食料獲得活動」を分けて議論できることを提示した。
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