3次元X線回折(3DXRD)顕微鏡法は高エネルギー放射光X線を用いて多結晶金属材料内部の3次元結晶方位マッピングを非破壊で行うことを可能にした新しい方法である。3DXRD法を実用鉄鋼材料に応用するには、(a)大量の結晶粒を含有する試料を取り扱うことができるようにすること、(b)複合組織鋼において母相(フェライト)とその他の組織(パーライトやマルテンサイト等)を分離できるようにすることが課題である。本研究では、放射光マイクロビームを用いた新しい実験方法及び再構成方法によりこれらの課題を解決する方法を提案する。炭素鋼及び二相鋼を用いた検証実験の結果、本方法の妥当性が確認された。
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