左右の両肢選択を伴う意思決定について、本研究では脳波を用いてその意思決定にかかわる過程を検討してきた。現在まで、脳波計測中に左右手の選択を伴うリーチング課題を用い、リーチングを行う手がどのように選択されるかについて検討し、自発脳波が両肢選択の意思決定に寄与する可能性を示してきた。本年度は、現在までに得られた実験結果をまとめるため討論と再解析に重きを置いた。 全年度を通して、運動を伴う意思決定時、悩む状況がある時にはその前の自発脳活動が影響し、悩まずに決められるような状況では刺激の位置関係が意思決定に直結するため、直前までの自発脳活動がリセットされることがわかり、意思決定に於いて影響する要因が状況により時々変化することを示した。
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