インターネットや神経回路網,E-mailの送受信や人と人の接触行動など,現実の多様なモノとモノのつながりは,複雑ネットワークと捉えて解析することができる.これらの現実のネットワークで生じる種々の振る舞いを明らかにするためには,観測データに潜む時間的・空間的に普遍な性質を捉える手法の開発が重要である. 本研究では,要素間の接続関係が時間とともに変化するネットワークに着目し,ネットワーク構造の変化量を捉えるためのネットワーク間距離を提案し,現実のネットワーク解析へと応用した.提案距離によって,従来の距離では捉えることのできないネットワーク構造の変化を検出可能であることを示した.
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