本研究課題では,ビッグデータにおけるプライバシー保護技術として研究されている匿名認証や匿名生体認証だけでは防ぎきれない攻撃として,位置情報のトレースを用いた個人識別攻撃に着眼し,そのリスクの明確化と対策に関する研究で成果を挙げた.具体的には,攻撃者が入手可能な学習用トレースは現実には少量という状況を考慮し,テンソル分解やグループスパース正則化を用いた個人毎の遷移行列の学習法を提案した.また,対策として,攻撃成功確率を一定値以下に抑えつつ,グループ領域サイズを最小化する位置情報の曖昧化法を提案した.実データを用いた評価実験を通して,提案手法の有効性を示した.
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