研究課題
本年度は前年度確立した分析手法を用い、まず臭素系難燃剤であるPBDEsを投与した、仔マウス血清中におけるメタボロームの変動を解析した。HILIC-MS/MSにより血清中メタボロームを測定した後、得られたデータを直交部分最小二乗法判別分析 (OPLS-DA) を用いて解析した。判別モデルを作成した結果、曝露群、コントロール群の血清中メタボロームの組成から、2群を完全に判別することができた。この結果から、PBDEsの曝露により、代謝のかく乱が起きることが示唆された。続けて、変動したマーカー群が生体内機構のどの部分に関与しているか、パスウェイ解析を用いて検討した。解析の結果、クエン酸回路、アミノ酸代謝、脂質代謝に関わるマーカーの変動が認められ、PBDEsがエネルギー代謝系のかく乱に関与している可能性が示唆された。これまでの結果を踏まえ、現在コホート試料についてもメタボロームの測定を開始し、現在測定値と化学物質曝露の量の関係について解析を進めている。コホート研究の実験計画についてはprotocol paperとして国際誌に投稿、受理された。難燃剤投与マウスおよびコホート研究におけるメタボローム解析の結果は今後詳細な解析を進め、国際誌に投稿予定である。さらに、本分析手法を有機ハロゲン化合物の毒性解明を目的とした共同研究結果も得られ始めており、今後の研究成果拡大が期待できる結果となった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 謝辞記載あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)
BMJ Open
巻: 29 ページ: e010531
10.1136/bmjopen-2015-010531
nvironmental Science and Pollution Research
巻: special issue ページ: 1-11
10.1007/s11356-015-5436-0
https://www.researchgate.net/profile/Akifumi_Eguchi
http://www.slideshare.net/eguchiakifumi
https://scholar.google.com/citations?user=in2FlHwAAAAJ