研究課題/領域番号 |
26881006
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
藤井 秀道 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 准教授 (20731764)
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研究期間 (年度) |
2014-08-29 – 2016-03-31
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キーワード | 環境保全技術 / 特許 / 生産性 / 製造業 / クリーナープロダクション / エンドオブパイプ / 環境イノベーション / ポーター仮説 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、持続可能な発展を達成する上で不可欠な環境と経済の両立において、重要な役割を担う環境保全技術に着目し、その開発を促進させるための決定要因を分析した。本研究の独自性として、企業の研究開発戦略を分析する際には経営学的手法を適用し、生産性や汚染対策コストの推計には経済学的手法を融合させることで、分野横断的なアプローチによる独創的な点が挙げられる。 本年度は、一般法人知的財産研究所から公開されている特許統計分析用の包括的なデータベースであるIIPパテントデータベースを利用し、環境保全に関する特許技術データベースを特許データベースの構築を行った。加えて、金融庁から公開されている企業の有価証券報告書のデータを活用し、企業の財務情報データベースの構築を行っている。これらデータベースを、環境省が公開する温室効果ガス排出量算定報告公表制度のデータベース及び毒性化学物質排出量データを公表しているPRTRデータを活用することで、包括的な企業データベースの構築を行った。 このデータベースを活用することで、国内企業の環境汚染物質を考慮した分析に着手し、生産性分析としてDirectional Distance Functionを、要因分解分析としてLog mean Divisia Indexを適用することで製造業企業における環境保全技術開発の意思決定について研究を行った。本年度の主な研究成果は、査読付国際論文4編、国内学会発表1件であり、予想以上の成果を挙げている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本年度では、データベースの構築を主な活動計画として予定していたが、利用する情報通信機器の性能の向上により、想定よりも早くデータベースの構築を達成することが可能となった。データベースが早期に完成したことから、データを活用した研究が可能となったため、多くの研究論文の執筆・公開を達成することが可能となった。 本年度の主な研究成果は、査読付国際論文4編、国内学会発表1件であり、予想以上の成果を挙げている。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、本研究課題の最終年度である。来年度についても、本年度に構築したデータベースを活用し、Directional Distance Function やLog mean Divisia Indexを適用した生産性分析、要因分解分析によって、様々な業種や環境技術に着目した研究を進めていく方針である。 加えて、これら二つの分析を進め、研究成果を学会発表や学術論文への投稿を通じて社会に発信する。さらに、経営学的アプローチを活用し、生産性分析や要因分析で得られた研究成果に対して、企業規模や業種特性に着目した様々な企業の要因を考察し、環境技術開発の決定要因分析を実施することで,環境技術開発を推し進めるための政策提言を行う。
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