コイヘルペスウイルス(CyHV3)感染症をモデルとし、宿主個体群遺伝構造と新興病原体の相互作用を評価するための解析手法の確立と基礎的知見の取得を行った。まず、宿主個体群の遺伝的構造を迅速に明らかにするための環境DNA手法を開発した。この手法を野外に適用し、各地のコイ個体群の遺伝的構造を迅速に評価することに成功した。また、自然水域から採取したCyHV3の遺伝子解析より、CyHV3が日本に導入された数年後には、複数の遺伝子型が出現したことを明らかとした。日本には単一系統のCyHV3が導入されたことより、導入後に遺伝的変異が生じたことが示唆された。
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